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東京地方裁判所 昭和42年(特わ)271号 判決 1967年12月08日

本店所在地

東京都中央区築地四丁目二番地

株式会社 築地江戸銀

(右代表者代表取締役 近藤銀造)

本籍

東京都中央区築地四丁目二番地

住居

同都同区築地四丁目四番三号

会社役員

近藤銀造

明治二八年七月一日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官渡辺芳信出席の上審理して、次のとおり判決する。

主文

被告株式会社築地江戸銀を罰金五〇〇万円に

被告人近藤銀造を罰金五〇万円に

各処する。

被告人近藤銀造において右罰金を完納することができないときは、金、五〇〇〇円を一日に換算した期間、同被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は昭和二九年六月二日東京都中央区築地四丁目二番地に本店をおき、すし、天ぷら加工販売業を目的とする資本金三〇万円の有限会社築地江戸銀として設立され、同年一〇月八日に資本金一〇〇万円、同四〇年七月三〇日に資本金三〇〇万円とそれぞれ増資のうえ、同四一年九月六日株式会社に組織変更したものであり、被告人近藤銀造は被告会社の代表取締役として同会社の業務一切を統轄しているものであるところ、被告人近藤銀造は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して架空人名義の簿外預金や貸付信託を蓄積する等の不正な方法によつて被告会社の所得を秘匿したうえ

第一、昭和三八年五月一日より同三九年四月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額が二一、五八一、四九二円で、これに対する法人税額が八、〇四九、三〇〇円であつたのに拘わらず、昭和三九年六月二九日、東京都中央区新富町三丁目三番地所在の京橋税務署において同税務署長に対し、所得金額が二、九九五、一六九円でこれに対する法人税額が九八一、七五〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて被告会社の正規の法人税額と右申告税額との差額七、〇六七、五五〇円を免れ

第二、昭和三九年五月一日より同四〇年四月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額が二五、三〇三、四三三円で、これに対する法人税額が八、九四三、四四〇円であつたのに拘わらず、昭和四〇年六月三〇日前記京橋税務署において同税務署長に対し、所得金額が五、四二九、〇六九円でこれに対する法人税額が一、六〇九、〇一〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて被告会社の正規の法人税額と右申告税額との差額七、三三四、四三〇円を免れ

たものである。

(判示各事業年における逋脱所得金額の算定については、別表第一、第二に記載のとおりである。)

(証拠の標目)

一、冒頭事実および事実全般について

1、被告人の当公判廷における供述

2、被告人の提出書三通および上申書一一通

3、被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書四通および検察官に対する供述調書三通

4、決算報告書類一綴(昭和四二年押第一二三三号の6)

5、領収証綴一一綴(前同押号の7の1ないし11)

6、元帳一冊(前同押号の11)

二、判示第一および第二の各事実について(末尾のカツコ内のアラビア数字は別表の勘定科目の番号を示す。)

1、山本憲次の上申書二通(第一914、第二1014)

2、山本憲次の大蔵事務官に対する質問てん末書三通(第一37914、第二1014)

3、近藤良雄の大蔵事務官に対する昭和四一年二月二日付質問てん末書(第一26、第二2227)

4、島田た起の大蔵事務官に対する質問てん末書(第一21)

5、三浦次郎の大蔵事務官に対する質問てん末書(第一14、第二14)

6、金子利貞の上申書(第一322)

7、小林道夫の上申書(第二22)

8、丸山利輔、野村寿郎の検察官に対する各供述調書(第一12、第二12)

9、新美景三作成の割引債券、投資信託期末残高および受取利息調査書(第二11)

10、大蔵事務官上野上作成の貸付金および未収利息調査書(第一9、第二10)

11、大蔵事務官富田有作成の未納事業税計算書(第一23、第二35)

12、大蔵事務官富田有作成の銀行調査書類(第一35789、第二23581023)

13、預り証一枚(昭和四二年押第一二三三号の1)(第二22)

14、家屋賃借関係書類一綴(前同押号の2)(第一21)

15、領収証等一袋(前同押号の3)(第一12、第二12)

16、仕入帳一綴(前同押号の4)(第一12)

17、仕入帳一綴(前同押号の5)(第二12)

(法令の適用)

被告会社ならびに被告人近藤銀造の判示第一の所為は、昭和四〇年法律第三四号附則一九条によりその改正前の法人税法四八条一項(被告会社につきさらに同法五一条)に、判示第二の所為は、昭和四〇年法律第三四号法人税法一五九条一項(被告会社につきさらに同法一六四条一項)に各該当するところ、右は刑法四五条前段の併合罪であるので(被告人近藤につき所定刑中罰金刑選択)、同法四八条二項により各罰金額を合算した金額の各範囲内で、被告会社を罰金五〇〇万円に、被告人近藤を罰金五〇万円に各処することとし、なお同法一八条により被告人近藤において右罰金を完納することができないときは、金五、〇〇〇円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 小島建彦)

別表第一

修正貸借対照表

(株) 築地江戸銀

昭和39年4月30日

No.

<省略>

別表第二

修正貸借対照表

(株) 築地江戸銀

昭和40年4月30日

No.

<省略>

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